メンバーの言いたい放題 9



 Maryはるみの マイナスワンの試練
 
 4人でひとつ。 


 2001年5月を皮切りに、30年ぶりの再結成となって、みんな嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。が、さて、いざ4人での練習・・・・・となると、その実現のなんと困難なことでしょう。やっぱりなんといっても関東圏と広島は遠い。おまけに関東圏の3人だけでも、東京、千葉、栃木在住と2時間くらい離れたみんなバラバラの居住区。3人での月1回練習も、うっかりしてると隔月はおろか、あっという間に3ヶ月、4ヶ月経つなんてことになっていました。そこで、ライブという具体的な目標ができてから、なんとか3人での月1練習が定着してきたところです。
 ところが、高校時代に歌っていた曲はまだいいのですが、新曲トライのとき一人欠けてることが、こんなにも大変なことだとは思いませんでした。一人といっても、MaryかDickが抜けているのと違い、Peter河内さん(ボーカルとギターそれぞれ一人分)が抜けているのですから、その痛手では大きいですよ! うすうすは分かっていましたが、実際、大変なことでした。
 今回のメビウスライブに向けての新曲の中でも苦労したのが、"Jane, Jane""There But For Fortune"です。"Jane, Jane"は、まずは、歌の出だしがうまくいきません。ベース以外は、譜面もなしで演奏しているので、何小節目に「Jane, Jane」 と歌い出せばいいのかそのタイミングが分からず、うちで本物相手(CD-R)の個人練習のときは、スムーズにできているので、まさか出来ないなんて思いもよらないことでした。しかたないから、苦肉の策で、ベースマンの山中さんに、Peter河内さんの代わりに「Hey Hey〜」 と言って出てくれないかとお願いしたら、やっと歌い出しがうまくいくようになりました。慣れるまでの2〜3回お願いしました。ところが、山中さんの声が、こぶしが回っていて、なんとも違った雰囲気の"Jane, Jane"になるからおもしろい。(Dickはひたすら陰のほうでベースを弾くことだけに徹していますから、彼の歌声を聴くチャンスはありませんが、ここだけの話、うちのDick山中さんは、なかなかの声の持ち主なのです。歌の抑揚といい、感情移入といい、雰囲気はまるで東京ロマンチカか、はたまた石原裕次郎か!森進一という説も、ちょっと古かったかなあ・・・、彼の出番がないのが口惜しいくらいです。)
 話しが横道にそれました。出だしさえクリアできましたら、あとはまずまずといいたいところですが、Peter河内のいない"Jane, Jane"は、掛け声ばかりが多くて、早く河内さんの上京を願うばかりでした。
 "There But For Fortune" はというと、これがまた、初めてのときは、リズムを取るのが大変だったこと。8分の6拍子で16分音符が1小節に12ヶ。 ところが...  ピーターは6×2、ポールは4×3、ディックは前奏が4×3で、あとは6×2。 頭がバラバラになりそうになりながら、4×3のリズムを刻むPaul河谷さんのギターに合わせて練習に入りましたら、これがまた、私も山中さんもリズムが取れない!!! 河谷さんも時間がなくて、今日の練習が初練習みたいなもの。 わぁーーーー、歌えなーい。歌い出そうとしても、出られない。出られたかと思うと、次の小節までの間がなんとも変! お互いの頭が分裂しそうになりながら、こうして、第一回目の"There But For Fortune"の練習は、Paul河谷さんがギターを完全マスターするまでのお預けとなりました。この曲でもまた、Peter河内の存在がいかに大きいものかを思い知らされるとともに、河内さんの分まで、Paul河谷さんひとりで頑張ってくれてることに感謝!
 そうなんです。PP&Mは、4人揃っていなくちゃあだめ。あのそれぞれのパートが交差しながら歌う、それぞれが決して脇役でないPP&M独特のコーラスは一人欠けると実現不可能なんです。だからこそ、お互いの存在を尊重する気持ちも生まれますし、そこがPP&Mの本質であり、魅力であり、おもしろい所以かもしれませんね。



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