Paul河谷の独断PP&M名曲勝手考



2.Power (John and Johanna Hall)

 長年XX経済新聞なるものを読み続けているために自分の価値判断の基準が経済的合理性に偏ってしまっていると気付かされたのがこの曲です。PP&Mの演奏は、アルバム"Such Is Love"の中のライブ録音、25th Anniversary Concertのライブ映像で楽しむことができますね。
 一時はクリーンなエネルギーの代表として脚光を浴びかけた原子力発電に反対する強いメッセージを持つ歌です。洗練された歌詞の持つ美しい婉曲的な表現とPP&Mの力強いコーラスがこの種のメッセージ・ソングにありがちな押し付けがましさのない心地よい説得力を生みだしています。Heart Streamで取り上げることに決めた時に、この歌のメッセージへのメンバーの共感を高めるために探した原発に反対すべき最大の理由。それはやはり「手に負えない副産物」を生み出すところでした。Warm power of the sun太陽発電、Steady flow of the waterfall水力発電、Restless power of the wind風力発電、こんなに豊富な選択肢があるなかでAtomic poison powerは確かに要らないかも知れません。それにしても、"Spirit of living things as they return to clay"「土へと帰する生ける物の魂」 。石炭や石油のこんなに美しい呼び方があったのですね。

(2003年5月河谷徹孝)

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